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英語が分からなくても楽しめる記事を書いています!日本の漫画の英語バージョンにはカッコいいセリフや変な訳され方、ニュアンスの違いなどがたくさん見られる。面白いのをピックアップして紹介しています。

ミカサの言語力の低さ!!英語版ではどうなっている!?

今回は進撃の巨人からみんな大好きミカサちゃん!!

 

名言?というか迷言?みたいな。面白いセリフを英語版で紹介します!!

 

 

 

みなさんこのシーンを知っていますか?

 

 

 

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巨人に壁を突破された時にミカサがエレンを心配して助けに来たら

 

アルミンに「エレンは巨人に食われた」と言われて

 

ミカサはショック。そしてパニック!!

 

ですがこの場にいる仲間たちを助けないといけないので

 

みんなを鼓舞して先導しようとします。

 

 

でもミカサはパニック中なのでクソみたいな言語力で

 

アホみたいな言い回しになってしまうのです!!

 

 

もう一度ミカサのセリフをちゃんと読んでみてください!!

 

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「蹴散らせることができる」→「蹴散らすことができる」

 

「例えば一人でも」→「たとえ一人でも」

 

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「臆病で腰抜けだ」→両方同じ意味じゃね?(笑)

 

「指をくわえたりしてればいい」→「指をくわえてみてろ!」

 

完全におかしいですよね(笑)結局何が言いたいの?って感じです。

 

 

 

 

 

僕はこのシーンを、ミカサはショックを受けたけど

 

今は仲間のために頑張ろうとしている。

 

でも頭が真っ白で言葉がぐちゃぐちゃになってしまっている。

 

 

と解釈したんですがそれであってますかね?

 

もともと言語力が低いおバカキャラとかではないですよね?(笑)

 

 

 

 

とまあ、こういうシーンなわけですが英語版ではどうなんでしょうか?

 

このびみょーな不自然な言葉の間違いとか言い方とかを

 

ちゃんと英語で表現できているのでしょうか!?

 

 

 

それでは英語版を見てみましょう!!

 

 

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とりあえずこの英語版のセリフの総評ですが

 

若干言い回しの不自然さは表現されている感じがする。

 

が、日本語版よりははるかにきれいにしゃべっているミカサちゃん。です!!

 

 

 

 

それでは英語を解説していきましょう!!

 

まずは

 

"I'm strong... stronger than all of you... extremely strong!!"

 

「私は強い。あなたたちのだれよりも強い。めちゃくちゃ強い!!」

 

まーここは普通に訳していますね。ここはオッケーです。

 

 

 

次!

 

 

 

"And that's why"  「なので」

 

"I'll be able to drive the enemy out of there"

「私は敵を蹴散らせるようになる」

 

"even on my own"  「私一人でも」

 

 

 

さて "I'll be ~~"のところに注目してください!!

 

僕はその文を「私は敵を蹴散らせるようになる」と訳しました。

 

不自然ですよねー。僕の言語力が低いわけじゃないですよ?(笑)

 

なぜこうなったのか説明します。

 

 

 

まず、 drive ○○ out で「○○を蹴散らす、追い払う」という意味になります。

 

 

そしてポイントはここから!!

 

 

be able to は can と同じ意味ですね。「~できる」です。

 

通常ならここでは

 

"I can drive the enemy out of there" 「私は敵を蹴散らせる」

 

といったほうが自然になりますよね?

 

でも翻訳家さんは原作のセリフの不自然さを出すために

 

わざと"I'll be able to ~~" にしたんだと思います。

 

I'll be able to つまり I will be able to なので未来形になっていますね。

 

これでは「将来~~できるようになる」という意味になっているんです!!

 

 

その結果

"I'll be able to drive the enemy out of there"

「私は(将来)敵を蹴散らせるようになる」

 

となってしまったわけです。

 

 

日本語版では「蹴散らせることができる」だったのを

 

「(将来)蹴散らせるようになる」にしたんですね~。

 

こういう不自然さとかを訳すのってめちゃくちゃ難しいと思いますよ(笑)

 

 

 

そして2枚目のシーンですが、日本語版のようなセリフの不自然さは

 

ほとんどなく、きれいに訳されちゃってる感じがします(笑)

 

 

 

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"I guess all of you are useless, cowardly, pathetic."

「私はみんな役立たずで臆病で情けないと思う」

 

"It's really too bad."  「本当に残念なことだ」

 

"Stay here"  「ここにいて」

 

"suck your thumbs"  「指をしゃぶってろ」

 

"while you watch me"  「私を見ながら」

 

 

やっぱり特に突っ込みどころはないですよねー。

 

 

 

 

 

というわけでもう一度言いますが、英語版では原作のような

 

ミカサの言葉の不自然さはほとんどなくなっちゃってる

 

ということが分かりますね。

 

 

 

 

 

このシーンではセリフを正確に訳すことよりも

 

ミカサの心情をあらわすために言葉の不自然さを出すことが

 

大事だと思うんですけどねー。

 

 

 

だって日本の読者はあのシーンを見て僕のように

 

「あのミカサでもエレンが死んだといわれたらこんなにパニクっちゃうんだ!!」

 

って思ったりするわけですが

 

英語版にはセリフの不自然さはほとんど表現されていないので

 

英語版を読んだ読者は「さすがミカサだ!こんな時でも強いんだ!」

 

って思っちゃいますよ!!

 

 

 

これは作者の意図に沿っていない大問題じゃあないですか!!(笑)

 

 

・・・まあたいした問題じゃないかな。

 

 

 

以上です!!